スタッフのひとりごと
SAMIの目のコーナー 2017年第1弾!
「起きる、歩く、寝る。」
最後に中国の旅の事を書いてから約2か月とちょっと。
この空白の2か月の間、 Sami。 西ヨーロッパに戻ってきたらずっとやりたかった事に挑戦してきた。 ずっとやってみたかったこと、やっと達成したこと。 それは「Camino de Santiago」(カミノ デ サンティアゴ)を歩くこと。
Camino de Santiago とは、日本のお遍路みたいのもの。 ヨーロッパ中のいろんな所からスペインのサンティアゴデ コンポステラっていう街の大聖堂に向かって道が続いている。
巡礼手帳って呼ばれる手帳があって、泊まった宿とか教会とかで押してもらえるスタンプを集めながら歩く。 Samiはフランスのトゥルーズから歩き始めた。 サンティアゴまで、1000㎞以上の道のり。 足がどーなってしまうんやろ?って思いながら、夜行バスに乗って、トゥルーズに着いたのが朝の5時。 バスを降りて、気付く。
どこから、どーやって歩き始めたらいいんやろ?? 朝が早すぎて人もまばら。 トゥルーズに着いたら何とかなるやろうと思いよったけど、甘かった。。。 立ち止まっとてもしかたがない!
向こうから歩いてくるおばちゃんに、
「カミーノ! サンティアゴー!」
って言ってみるも伝わらず。。。。
それもそのはず。
後で知った。
カミノもサンティアゴもスペイン語。 フランス語では カミノはチェミン、サンティアゴはセントジェームス。
全然ちがうかった。
警察署があったから行ってみる。やっぱり言葉は通じひんけど、
「カミノ!カミノ!」
って言うSamiと格闘してくれて、オフィスみたいな所に連れて行ってくれる。 そこで、やっと。
最初のスタンプを手帳に押してもらう。 「サンティアゴはどっち?」
って聞いたら、
フランス語で教えてくれた。。
とりあえず、ケータイのGPSを使って歩きはじめるも。。。 途中で充電が無くなった。
Sami、一人、畑の中で迷子。。 とりあえず向こうの方に見える村まで歩いて、道で会う人に聞きまくって進む。
初日からこんな感じでガムシャラに歩いたけど意外と体も足も大丈夫。
2日目、やっとサンティアゴまでの道しるべになるマークを教えてもらう。
曲がり角や分かれ道で出てくるマーク。 無くなったら、めっちゃ不安になるマーク。
Samiの荷物は水や食料を入れて約12kg。 これを背負って一日、25km~35km。 雨でも、雪でも。 暑くても、風が強くても。 毎日、毎日歩く。
なんだかんだで一日44km、10時間以上歩いた日もあった。
ピレネー山脈の山道、一番高い所が1600m。 そこを1日で超えた日は、12kgを背負って6時間の登山。
スペインに入って初めて一日中雨の中を歩いた。
日本から友達が2日間だけ一緒に歩きに来てくれた時は、初めてレストランに入ってご飯を食べた。 嬉しかったし、温かかった。
11月に入って標高1500mの山を越えた日は大雪で、 新雪に足跡を残しながら歩いた。 歩くのが一番楽しかった日。
普通の旅では絶対泊まることのない小さな村々をゆっくり通りすぎて、
いきなり目の前に現れる絶景に、何回鳥肌が立つ腕をなぜたことか。
足が痛くって、もう目の前に見えとる村が全然近づかんくって泣いた日もあった。
それでも、毎朝の朝日を見るのが楽しみでしかたなかった。
食料が無くって晩御飯にチョコバー1本を食べよるSamiに気づいて、温かいスープを作ってくれた宿のおばさん。
夜の教会をわざわざ開けてくれて、一緒に祈ってくれたおじさん。
電気の通ってない小さな小屋で暖炉を囲んで一緒に過ごしたみんな。
巡礼者用の宿が閉まっていて、外で寝る覚悟やったSamiに素敵な部屋を与えてくれた夫婦。
他にもいっぱい、いーっぱいスペシャルな事がありました。 みんな、みんな。ありがとう。
サンティアゴが近づくにつれて、Samiの心の中には 「もっと歩きたい。まだ終わりたくない。」
そんな気持ちでいっぱいで。
結局ポルトガルのポルトまで歩いた。
約1300km。
58日かかった。
巡礼って長い、長い、瞑想みたい。
毎日ただ歩いて、気づいたら心が研ぎ澄ませれとるというか。。。 無心になっとるというか。
だから時々、枯れ葉が地面に落ちる「カサッ」っていう音とか、小鳥が木から飛び立つ小さな音にさえ、めっちゃビックリしたりする。
大きい街の全ての音がうるさくって、逃げ出したくなったり。
目の前で起こっとる事を一瞬にして、いろんな角度から見れてしまったり。
頑張るからこそ気づく変化。
大変やけど続けるから見えてくるモノが素敵で、
それが体の中でエネルギーに変わって、
また強くなる。
いろいろあったけど、基本は 「起きて、歩いて、寝る。」
の繰り返し。
余計なことを考えることもなく。
とってもシンプルな生活。
できそうで、なかなかできない。 素敵な生活。
オススメ。
そして、
みんな、みんな。
HAPPY 2017 NEW YEAR♡